朝ぼらけ

遠浅

整える

新玉に鰹節ふったやつ、採ってきたばっかのトマト、もらいものの春菊と水菜をただ茹でたやつ、おいしい豚がメインの水炊き、きちんとしたもので胃を満たすと指先までぴかぴかになった気がする。内側から。

食べるものにこだわりがないというのはカップラーメンとかコンビニ弁当とかを常に食べてokとかのそれではなくて、この食材しか食べられない!などの縛りがないという意味の「こだわり」だ。野菜が高くて困るよねと昨日職場で話したばかりなのに、祖父が山を散歩中にひとやま100円の新玉ねぎをほくほくした顔で買ってきた。良い方の祖父は足腰も強く80すぎの今でも風呂後の腹筋をかかさず朝晩50分ほど散歩をする。図書館で何冊も借りてきて読みながら、趣味の掃除洗濯をして老後を楽しんでいる。こういうのが良いよなあと話すたびに思う。


仕事が嫌というのを通り越して職場に「居る」ことが嫌で嫌でたまらなくなり、久しぶりにそんな理由で半休をした。月曜あたりからなんかマズいなと思っていたけど忙しくて言い出せず、火曜水曜とバタバタで今日やっぱり電池が切れた。悲しくて腹が立って泣きそうになるやつ。参った〜27ぞ〜?と思いながら捌いてたけど患者に怒鳴られて糸が切れ半休決意、さくっと申告してさっさと帰った。

怒鳴れば若い女が言うことをきくとおもわないでほしい。怒鳴り返しそうになって、いや一応ここの格好してるからなあと思って最後の理性でなんとか耐えた。スーパーですれ違う老人、えらそうなババア、走り回る子どもにもイラッとくる時がある。無差別というのはこういうことかと身をもって感じている。

とりあえず半休は取れたからやりたいことをして整えてこうと思ってまずジムに行った。ら、バレエレッスンの時間と重なってまたババアが沸いていた。あれらを気にせず割れた腹を放り出してストレッチできるようになるのが目標だな、まずまた腹を割らねばならない。有酸素多めに入れてこうと決める。尻が筋肉痛だから肩をぴゃぴゃっとやって、インクラインサイドレイズのやり方をまた調べようと思ってケーブルと遊んだ。背中とかはやっぱりケーブルの方がつかみやすい。

ちゃんとトレッドミルまで終わらせて帰宅、水回りの掃除に取り掛かる。気になってたお風呂場の細い汚れと天井のちいさいカビを取って、パイプマンをやって、マグもハイターにつけてその間に珈琲をいれた。

風がよく入るリビングにいると気が凪いでいることに気がつく。そうそうこういうのが1番整うのよ、さっき食べたチョコレート(ダークのやつ)もいい感じだった。洗濯物もよく乾いた。両親は妹を迎えに関西に行っているからいない、夜どうしようかなあと思っていたら帰りを前倒しにしたらしくて今日帰るとのこと。祖母宅でまとめて夕飯になったのでほいほいと移動、野菜たくさんでおいしいお茶も淹れて、あ〜花丸通り越して大花丸じゃ〜みたいな気持ち。カツは明日のお弁当にひと切れもらって夜は食べなかった。揚げ物大好きだけど夜食べると翌朝まで引きずる。お米とかは大丈夫なんだけど。何を食べたらどういう調子になるのか、ちゃんと身体の具合を見ながらデータを取るのが1番いい。

例の24歳の件で、あれを奨学金の返済にまわしましたとか親の借金返済につかいましたとか一部を兄弟の学費に〜とかって言ってたら世間はどう評価したんだろうなと思ってたらTwitterもそんな感じになっててそうよなあと眺めていた。11兆円わかりませんじゃあないんだよ。


角田光代のタラントを読んでるんだけど、主人公が香川出身の設定で、他県(主に都市部)のひとに出身を説明するとき「四国から〜」って言うところとか親族間の距離が近く橙っぽい雰囲気のあたたかさと雑さがあるとか要所要所の方言にいちいちわかる〜〜となっている。今おもしろくなってきたところ。主人公のあの周りがやってるからやらないとな感じとか、ものの背景を知ろうとしないところとか、うわ〜ヤダヤダ〜と思う場面も多いんだけどお爺さん視点が面白くてこれどうやって交差させるのよと夢中でページを捲っている。国分寺から永福町に引っ越したくだりでウンとは思ったけど。永福町はオードリーのラジオで聴いたことしかない。ただ、昔は駅名を読んでもボンヤリとしか分からなかったイメージが今はわかる。色とテンションを知っているから、読むのがもっと楽しくなった。

明日は夕方まで働いて、ワクチン打って、眼科に行って、ポカリを飲みながら副反応に備えるだけだ。だいぶ整っていい感じ。ばっちこ〜い。